零細SIer(資本金数万円)なのに大手自動車会社の情報子会社の元請けとして実績を積む企業。
一方で独自文化のリスクを受け入れる余裕がない受託開発が発展途上の大手企業(資本金3億円以上)。
二つの企業の利点を活かす形で案件を相互にやりとりできて、お客様への見積もりも増大しない仕組みを構築。
実際に僕自身が退職したのちも長期間にわたり双方の利益を上げることができる事業として継続している。
経緯
零細SIerのマネージャーをしていた僕はお客様先で以前の職場の同僚に再会します。
ほどなくしてその元同僚はお客様先に出向し、共通の案件を担当することになりました。
元々仲が良かった僕たちが話をしていく中で以下の課題があることがわかりました。
- 零細SIerは事業拡大で大きくなる一社専業体制特有の仕事の波をフラットにすることが急務
- 少数精鋭で技術力はあるが常に人不足
- 特定の文化には強いが、他の方面では営業力が低い
- 大手企業では大手自動車会社の案件を安定的に受注して体制を強化することが急務。
- 人材派遣もしており人の確保はできるが技術力が高いとは限らない
- 営業力はあるが、特定の文化でのリスクを抱えきれない
この問題をどうやったら解決できるか、2人がたどり着いた結論は共に仕事をすることでした。
2社の事業設計と実現
零細SIerと大手企業の間で以下の取り決めを行い、この前提の元に基本契約を締結
実際に常時案件を交換し定常的な活動として定着しました。
- 零細SIerが受けた大手自動車会社の案件のうち大手企業が得意な案件を優先的に振り分け
- 案件リスクは全て零細SIerが負担し追加工数も原則全てお支払い
- 零細SIerに大手企業の常駐者をおき見積もりやコスト管理まで公開
- 常々相談可能な環境を構築しレビューやフォローなども常時実施
- 大手企業受けた他の案件の内、技術特化した部分のみ零細SIerが担当
- 提案領域やコンサルティングについて準委任契約として実施
- 技術力が必要な開発分野のみ切り出した上で、営業コスト等差し引いて形で零細SIerが受託
- 零細SIerに大手企業の常駐者がいつでも案件の状態を確認可能
お客様から見たメリット
お客様から見たメリットは以下を想定しています。
(インタビューは行っていないため設計時の想定メリットとなります)
- 大手自動車会社の子会社様
- 零細SIerが案件を断る割合が減り、プロジェクトの進捗が安定する
- 出向者の所属先に仕事を振る際に発生しやすい案件のミスマッチが発生しない
- 多重請け構造特有のコストの増大がない
- 大手企業のお客様
- 大手企業の安心感をそのままに要望の技術を得られる
- 背景に綿密なコミュニケーションがあるため見積もり時から迅速に対応可能
- 多重請け構造特有のコストの増大が少ない